オウンドメディアTOP > エア漏れ > コンプレッサーの過電流の原因と解決策を徹底分析します!

コンプレッサーの過電流の原因と解決策を徹底分析します!

2024.10.01

コンプレッサーの過電流の原因と解決策

 

コンプレッサーの過電流は本体の故障につながるので、しっかりと原因を把握しておかなくてはなりません。

原因を放置しておくと、コンプレッサーを交換することにもなりかねず、余分な出費につながる恐れがあるでしょう。

この記事では、コンプレッサーの過電流の原因や与える影響、予防策を解説します。

コンプレッサーの過電流の原因は?

コンプレッサーの過電流の原因は本体の動作不良に始まり、モーターや部品の故障、誤作動など多岐にわたります。自分でチェックできるものもありますが、時間やスキル的にできない場合も少なくありません。

確かな原因を知ることで、その後の対応を図れるようになるので、まずはどんな要因があるのか見ていきましょう。

コンプレッサー自体の動作不良

コンプレッサーに負荷をかけた状態で稼働し続けると、動作不良を起こしてしまいがちです。圧縮空気を送り出すにはピストンの動きが重要ですが、ピストンに異物が噛みこんで固着することもあります。

また、オイルによって潤滑がなされず、冷却システムが機能していない場合もあるでしょう。

このような状態になると、モーターは本来よりも大きなエネルギーが必要です。これが継続されることで過電流となり、コンプレッサー本体やモーターに負荷がかかり続けます。

結果的にコンプレッサーの動作不良によって過電流が発生することにつながるでしょう。

エレメントの過剰な目詰まり

コンプレッサーを使用し続けると、吸気フィルターのエレメントがゴミや汚れなど不純物によって目詰まりを起こすことも珍しくありません。

エレメントの過剰な目詰まりは空気圧を低下させることになり、本来の力を発揮できないことからコンプレッサーの動作が悪くなります。

足りないエネルギーを補充するため、モーターに負荷がかかって過電流となるでしょう。

また、排気フィルターが目詰まりを起こすと、普段の容量以上に内部の圧力が高まるのでコンプレッサーが故障する危険性も否定できません。

制御部品の故障

モーターの回転数を制御するインバータも冷却ファンの固着などで停止すると、故障してしまいます。インバータやソフトスタートなどの制御部品が故障すると、電圧の制御が行われず、スムーズにモーターも回転しません。

また、モーターに通常とは異なる周波数や電圧が供給されてしまうと、過電流の現象が起きる可能性があります。

過電流はコンプレッサーを故障させる原因にもなるので、制御部品がしっかり動作しているのか確認しておきましょう。

吐出圧力の設定のミス

コンプレッサーの圧縮したガスを排出する圧力も、しっかり機能していなければ過電流の原因となります。

吐出圧力の設定を高めにするなどのミスをしてしまうと、モーターに負荷がかかるため過電流を引き起こす可能性があります。

吐出圧力は配管やバルブの詰まり、吸気フィルターの目詰まりでも高くなります。また、逆に低すぎると冷却がうまくいかずに、コンプレッサーの効率が悪くなるでしょう。

モーターの動作不良

モーターに異常をきたしていると、コンプレッサーの過電流につながります。ベアリングの破損やプーリーの摩耗など、機械の抵抗が増加してスムーズな動作ができず、モーターが過負荷で稼働するため、トルクも増えてしまうでしょう。

こうなると、多くの電流を引き込むのでモーターが過熱して動作不良を引き起こします。

電流を異常なほど引き込むと、過電流となってコイルが焼損し、モーターが故障する恐れもあることに加え、コンプレッサーの停止も起こり得るでしょう。

接続不良や配線トラブル

ケーブルの接続不良や配線トラブルでは電圧が足りなくなるので、余計に電流を引き込もうとしてコンプレッサーが過電流となるケースがあります。

圧力スイッチや各センサーの接続不良によって、モーターにも負荷がかかるので過電流が起きやすくなるでしょう。

圧力スイッチや温度センサーは、通常コンプレッサーを監視する役目がありますが、接続不良や配線不良によってコンプレッサーの圧力低下や過熱が見過ごされてしまうため、最終的にコンプレッサーの故障にもつながります。

設備の保護カバーを外して作業する際、床面に置こうとしてカバーが配線と干渉して断線することもあるので注意が必要です。

電源異常の発生

供給される電圧が低圧となって電源異常が発生すると、モーターが過負荷となるので過電流が起きてしまいます。

供給元の電力会社に何か異常が発生した場合や接続ポイントの劣化や錆、電気系統の不具合、接続不良、周辺の高負荷となる機器の影響によって、本来供給される電圧が不足するケースは過電流の要因です。

逆に高圧状態となってもモーターが劣化することになるので、安定した状態とはいえません。結果的にモーターの動作不良を引き起こして過電流につながりやすくなるでしょう。

サーマルリレーの誤作動

サーマルリレーはモーターに引き込まれる電流を監視していますが、これが誤作動を起こすと電流の閾値が意味を無くし、遮断せずに過電流を引き起こしてヒューズが飛んでしまいます。

高温な条件下での使用といったコンプレッサーを設置する環境、衝撃、長期間の使用における経年劣化などによって、サーマルリレーが誤作動する可能性があるでしょう。

コンプレッサーの過電流による影響

多くの工場で使用されているコンプレッサーですが、過電流を起こすと修理や交換といった手間だけでなく、さまざまな方面へ影響を及ぼしてしまいます。

コンプレッサーの過電流によって引き起こされる影響や問題を見ていきましょう。

コンプレッサーの故障

モーターの過負荷による過電流は、コンプレッサー本体を故障させてしまいます。そもそも、過電流に陥る状態だと、通常の動作とはならずに何かに負荷をかけてしまい、圧力も正常ではありません。機械が起動しない可能性も十分あり得ます。

メーカーにかかわらず、コンプレッサーが無理をして稼働している状態はよくありません。

ベアリングの摩耗や振動、フィルターの目詰まりなど、他の要因からコンプレッサーが故障することも多くなるでしょう。

コンプレッサーが故障すると圧縮した空気を送り込むことができないため、連結している設備にも支障をきたします。

生産ラインの停止

コンプレッサーが過電流に陥ると、正常なエアーを送ることができません。

コンプレッサーは取り付けられた機械本体を停止させるだけでなく、ベルトコンベアでつながった生産ラインそのものを停止させてしまう恐れがあります。

1台の設備が稼働停止になれば、復旧するまで生産ラインがストップすることになり、納期に間に合わず、各方面に影響を及ぼしてしまうでしょう。

中途半端に停止した設備や搬送機は製品を取り出して、リセットしてから整備し直さなければなりません。

機械によっては分解して調整する必要があり、運転再開まで相当な時間がかかることも考えられます。

また、在庫がなければ取り寄せになるので、工場の生産性は大幅なマイナスとなる可能性もあるでしょう。さらには、コンプレッサーを交換する技術者も用意しなくてはなりません。

エネルギーコストの上昇

過電流は余分な電流を引き込んでしまうので、省エネとはならずにエネルギーコストも上昇するでしょう。モーターの過電流は回転数が上がって余計な電力を消費し、省エネ効果も悪くなります。

一般的にイメージしやすいエレメントの目詰まりなどは、吸引する力も足りないので余分なエネルギーが増加するでしょう。

しかも、工場は1台のコンプレッサーというわけではなく、各設備にあるものなので、それらが過電流となると、トータル的なエネルギーコストは上昇することになります。

火災の危険性

モーターの過電流は火災のリスクを伴います。コンプレッサーが過負荷状態になると、絶縁帯も劣化し、ショートを起こすなどして発火する可能性があるでしょう。

また、過電流はモーターの過負荷で起きる場合が多いですが、そもそも過電流の要因となった接続不良や配線トラブルも火災の危険性が低くはありません。

工場にはさまざまな装置もあるため、誘爆の危険性も視野に入れておく必要があります。過電流になるとコンプレッサーから火災が発生する可能性があるので、慎重かつ迅速な判断ができるように、常に危険性を念頭に置いて行動する必要があるでしょう。

コンプレッサーの過電流に対する予防策

コンプレッサーの過電流に対する原因や影響を説明してきました。過電流は事前に防止することが重要です。

コンプレッサーの過電流に有効な予防策を紹介していきます。

定期点検の実施

電源システムやモーター、冷却システムには各種メンテナンスを実施します。定期的な点検作業を実施するのが効果的な方法です。普段から異音や異臭、ボルトの緩み、液漏れには気を配るようにしておきましょう。

電源ケーブルや接続部分の劣化や損傷がないかも確認しておき、モーターやベアリングの破損や摩耗箇所がないかも判断しなければなりません。症状が重くなる前の修理や交換が大切です。

定期点検は1か月や半年などを目安にし、点検の担当者を決めておくのもよいでしょう。壊れた圧力ゲージを交換した際は、電圧や空圧などが規定の数値まで到達するかを目視でチェックすることも必要です。

また、普段からコンプレッサー周囲の清掃もしておきましょう。

遮断器の導入

コンプレッサーには適切な遮断器を導入するのが対策としておすすめです。モーターの過電流が発生した際は、電流や空圧を遮断する役目を持つ機器が必要となります。

コンプレッサーの始動時は電流が高めになってしまうので、誤作動が起きないように電気担当者に回路をつなげてもらい、適切な設定値を決めておきましょう。

また、コンプレッサーが使用される環境に適した遮断器を導入することが大切です。高温の環境下でも定格電流が低下しないように考慮する必要があります。

まとめ

コンプレッサーの過電流においては、圧縮機は本来の力を発揮できません。過電流が発生する原因は、モーターの動作不良やエレメントの目詰まりなどで通常よりも電流の引き込みが多いことが挙げられます。

本体の故障や生産ラインの停止、火災といった影響もあるため、定期的なメンテナンスを行うとともに、遮断器の導入で過電流を予防するようにしましょう。

 

コンプレッサーの定期的メンテナンスは協和機工株式会社にお任せください!全体的なメンテナンスはもちろんのこと、超音波カメラを使用した「エア漏れ検査サービス」は、多くのお客様から好評をいただいております。エア漏れ部分が画面に表示されるため、工場稼働中でも、手の届かない高所でも、カメラをかざすだけで簡単に検査が可能です。さらに、エアの漏れ量を数値化できるため、損失金額とあわせてレポートにしてお渡しします。詳しくは「エア漏れ見える化.com」をご覧ください。

よく読まれている記事