窒素漏れ検知で年間700万円以上のコストカットにつながった化学プラント工場の事例
窒素などのガス漏れは、ガス単価が高いことが多いため、少ない漏れ箇所でも損失コストが大きくなる傾向にあります。
今回紹介するのは、窒素漏れとエア漏れ合わせて合計700万円以上のコストカットにつなげることができた事例です。大型の工場でガス漏れが発生している場合、ガス漏れによって多額の損失が出ていることも珍しくありません。
詳しくみていきましょう。
お客様情報
- 業種:化学プラント
- 所在地:千葉県
- 測定対象面積:約40,000m²
- 年間稼働時間:約8,000時間
- 1時間あたりの電気使用料金:30.0円/kWh
- 窒素単価:100円/1,000L
検査結果
検査結果を説明します。
検査概要
- 検査所要日数・時間:1.5日(約12時間)
- 漏れ箇所数(エア;窒素):84箇所;12箇所
- 漏れ量合計(エア;窒素):523.7L/min;122.5L/min
- 年間損失合計(エア;窒素):エア 1,330,090円/年;窒素 5,880,000円/年
- 年間推定CO²排出量:29,666kg/年
窒素漏れは単価が高い
この現場では、1.5日かけてエア漏れ検査をくまなく実施した結果、エア漏れを84箇所、窒素漏れを12箇所見つけることができました。エア漏れ箇所のほうが窒素漏れ箇所よりも7倍多いことになります。漏れ量で見ても、窒素漏れはエア漏れの約23%程度しかありません。しかし年間損失額でみると、窒素漏れによる損失額のほうがエア漏れによる損失額より4.4倍多い計算になります。単純比較することはできませんが、インパクトとして約19倍の差があります。
写真:実際の検査画面
協和機工のエア漏れ検査サービスは、エア漏れと名打っていますが、窒素やアルゴンなどのガス漏れ検知も可能です。その仕組みを次に解説します。
使用する機材はFLUKE社の超音波センサーカメラ
協和機工が使用するのは、FLUKE社の超音波カメラです。
画面に映し出す周波数帯を選択できるため、工場稼働音とエア漏れ音の周波数の違いを利用して、エア漏れを可視化します。周波数の違いを利用していることから、気体ごとの漏れ音に合わせて周波数を設定すれば、今回のように窒素などのガス漏れも検知可能です。他の現場では、アルゴンや水素を検知した事例もあります。
さらに、7インチのLCDタッチスクリーンに可視画像と重ねて表示でき、エア漏れ箇所が特定できるのも特徴です。工場室内全体にセンサーカメラを向けると、「エア漏れ箇所」が画面上で赤色に表示され、この赤色の箇所を画面上で大きくなるような向きに近づけていけば、簡単に「エア漏れ箇所」に到達できます。
写真:実際の検査画面
検査スピードは環境にもよりますが、敷地面積10,000m³程度であれば1日で検査することも可能です。
まとめ
窒素漏れは放置してしまうと、大きな損失となります。また、経済的損失の観点と合わせて、環境に配慮したサプライヤーを構成する一員であることが、これからの製造業に求められると考えます。そういった意味では脱炭素のみではなくあらゆるガスの漏れに気を配る必要があるでしょう。
協和機工株式会社では、コンプレッサーのエア漏れやガス漏れ箇所を超音波カメラで可視化し、損失金額とあわせてレポートにしてお渡しする「エア漏れ検査サービス」を実施しています。お気軽にお問い合わせください。
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