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エアコンプレッサーが止まらない原因と対処法まとめ

2024.09.13

エアコンプレッサーが止まらない原因

 

コンプレッサーの稼働状況を定期的に確認していますか。多くの方は、起動時以外はあまり気にしないのかもしれません。しかし、稼働状況を確認することは重要です。

この記事では、コンプレッサーが常時運転し続けているなど、故障のサインについて解説します。

軽度の症状のうちにメンテナンスすることで、トラブル防止や機器の長寿命化を心がけましょう。

エアコンプレッサーが止まらない原因は?

コンプレッサーが停止しない主な要因は、部品やパーツの不具合や機器の能力不足です。

また、オンロード状態が継続することは別の問題を引き起こす可能性もあるでしょう。

ここでは、コンプレッサーが停止しない原因について説明します。

圧力スイッチの故障

コンプレッサーの停止不良の主因の一つに圧力スイッチの故障が挙げられます。このスイッチは、設定圧力に応じて機器の運転・停止を制御する重要部品です。

上限圧力で停止、下限圧力で再起動させる役割を持ちますが、故障すると設定圧力でも停止せず、動作し続けることがあります。

この状態は、エネルギーの無駄遣いや機器への過度な負荷を引き起こす可能性があるでしょう。そのため、圧力スイッチを定期的に点検・修繕することにより、コンプレッサー本体の効率的な運転と長寿命化が期待できます。

マグネットスイッチの溶着

マグネットスイッチ(電磁開閉器)は、コンプレッサーの運転制御に不可欠な部品です。圧力スイッチから信号を受け、オンロード・アンロードを制御します。

また、過負荷時に電流を遮断し、機器本体を保護することも重要な役割です。

しかし、頻繁な開閉や短絡による大電流により、マグネットスイッチに溶着が起きると、スイッチが開放できなくなり、コンプレッサーが停止不能に陥ります。

この状態での継続使用は非常に危険なため、マグネットスイッチに不具合が確認された場合は、速やかに機械を停止し、新しい製品への更新などの整備が必要です。

ガスケットからの空気漏れ

ガスケットは、コンプレッサーの部品間の気密性を保つ重要な役割を担っていますが、経年劣化や熱変形、不適切な取り付けにより、その性能が低下することがあります。

ガスケットの劣化や損傷は、エアー漏れの主因の一つです。漏れが多発すると、コンプレッサーは常時運転を強いられ、稼働効率の低下や機器への過負荷をもたらします。

これは長期的に機器の寿命を縮める可能性があるため、早期の対処が不可欠です。定期的な点検と適切なメンテナンスにより、問題を未然に防ぎましょう。

接続管や継手の空気漏れ

空気漏れは、ガスケットだけでなく、接続管や継手、たまにホース途中からも発生する可能性があります。操業中は、生産設備の稼働音により、エアー漏れ音を耳で聞き分けるのが困難です。

そんなときは、以下の方法でエアー漏れ箇所を特定してみましょう。

  • 石鹸水の塗布:低コストで気軽に漏れを確認可能。泡の発生を観察することで漏れ箇所を特定
  • 超音波リーク検出器の使用:より正確で定量的な漏れ量を特定可能

これらの方法を組み合わせることで、効果的にエアー漏れを発見し、対処することができます。定期的な点検を行うことで、エネルギー効率の向上と機器の長寿命化が期待できるでしょう。

コンプレッサー内部の部品劣化

内部部品の劣化により、コンプレッサーの圧縮効率が低下し、設定圧力への到達時間が長くなります。これにより、コンプレッサーが長時間運転し続ける可能性があるでしょう。

圧縮機やモーターなど主要部品以外にベアリングやプーリ、ベルト等の劣化も機器の効率低下の原因となります。

これらの部品はメーカー推奨時期などを目安にして、定期的に予防保全として新品へ交換することで修理費用を下げることが可能です。

使用空気量のバランスがとれていない

エアー使用量がコンプレッサーの供給能力を超えると、機器が常時稼働する可能性があります。このような場合には、以下の方法が効果的です。

  • エアー使用設備の稼働調整:同時作業を減らすなど需要を分散させる
  • エアー漏れ箇所の修繕:無駄なエアー消費を削減
  • システム全体の見直し:コンプレッサーの増設、容量を上げる、レシーバタンクの設置

これらの対策により、工場全体の負荷バランスが最適化され、エネルギー効率の向上と機器の破損防止を図ることができます。

コンプレッサーが故障するときのサイン

コンプレッサーは故障する前にいくつかサインを出します。重大なトラブルにつながる前に故障サインを見逃さずに対処することで、機器の長寿命化や生産ラインへの影響を少なくすることが可能です。

ここでは4つのサインについてご紹介します。

異常振動や異音

通常の運転時と比較して振動が大きかったり、異音が聞こえたりする場合はすぐに使用を停止して、点検することが重要です。

ベルトの緩みや摩擦、ベアリングの劣化、潤滑油の劣化または不足などが原因として考えられます。

異常振動や異音があるまま継続使用はさらなる損傷やトラブルを引き起こす可能性があるため、原因を特定し適切な処置(緩みの調整や機器更新、オイル補充など)をすることが重要です。

エアー内に水分が発生する

エアー内に一定の水分が含まれることは自然なことですが、過剰に含まれる場合は注意が必要です。まずは、以下の点を確認してください。

  • エアードライヤーが正常に機能していない
  • ドレントラップ不良によりドレン排出が適切にできていない
  • 内部部品の腐食
  • 潤滑油の劣化

過剰な水分はコンプレッサーの性能低下や寿命短縮の原因となるため、このサインが確認された場合は適切にメンテナンスしましょう。

オイル消費が激しい

ガスケットやオイルシールなどが損傷している場合、オイル漏洩の原因となります。オイル不足は、ピストン部分など摺動部分の部品・パーツの劣化、各部品の摩耗を引き起こす可能性があるでしょう。

オイル漏洩が激しくなると、オイル消費量が急激に増加するため、定期的にオイルレベルを確認し、早めに対処することが重要です。オイル周りは汚れもあるため、原因特定が難しい場合は専門技術者に相談することもおすすめします。

吐出温度が高い

吐出温度が高いことも故障のサインの一つです。吐出温度が高いことは以下のような理由である可能性があります。

潤滑油の劣化または不足

潤滑油の劣化や不足は摺動部分の摩擦を増加させ、吐出温度を上昇させます。また、潤滑油による冷却効果が小さくなることから適切な状態管理と量を維持することが重要です。

冷却システムの不具合

オイルクーラーやエアーフィルターの目詰まりによる空気量の減少が吐出温度の上昇へとつながります。必要に応じてケースやカバーでゴミを吸い込みにくい環境にすることが大切です。

過負荷運転

エアー使用先の空気需要がコンプレッサー能力以上の場合、過負荷運転になり、過熱する場合があります。

エアーコンプレッサーが止まらないときの対処法

コンプレッサーが止まらない原因や故障のサインについて説明しました。それでは、実際に止まらない状況になった場合は、どうすればよいのでしょうか。

ここからは、コンプレッサーの停止が確認されなかったときの対処方法についてご紹介します。

問題のある部品を交換する

まずは圧力スイッチやマグネットスイッチ、ガスケット、継手、バルブ、配管などからのエアー漏れの有無、各部品やパーツが正常に作動しているかを確認します。

エアー漏れの有無については石鹸水や専用のリークテスターを用いてチェックを実施し、部品交換や増し締めなどで対応しましょう。

また、多経年の圧力スイッチやマグネットスイッチ、フィルター、エレメント等については部品交換や清掃することをおすすめします。

必要空気量に適したコンプレッサーにする

エアー使用先の空気需要に対してコンプレッサーの供給能力が足りていない場合は、コンプレッサーの能力適正化が必要です。

具体的には使用中のコンプレッサーより出力の高い機種に更新またはコンプレッサー台数を増設することになります。

コンプレッサー台数を増やす場合はインバータ機にする、台数制御装置も導入することで、必要空気量に応じてコンプレッサーの消費電力を抑制できるため、電気料金の上げ幅を最小限にすることが可能です。

まとめ

コンプレッサーが止まらない理由や対処方法について説明しました。部品の不具合やエアー漏れなど、停止しない理由は複数あります。

コンプレッサーの故障は操業へも影響する可能性があるため、日ごろの点検と早めの対策を講じることが非常に重要です。

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