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エア漏れを放置すると損害はいくら?金額換算で徹底解説

2025.03.12

工場を運営する経営者にとってエア漏れは決して無視できない問題です。コンプレッサーの電気代増加、製品の品質低下、設備の故障など、さまざまな悪影響を及ぼします。

しかし、エア漏れによる具体的な損害額を把握している方は少ないのではないでしょうか?

この記事では、エア漏れによってどれほどの金額が失われているのか、具体的な計算方法や事例を交えながら徹底解説します。

エア漏れによる損害を金額換算する方法

エア漏れによって失われる金額を把握するためには、以下のステップで計算をします。

  1. エア漏れ量の測定
  2. 消費電力の増加分を計算
  3. 製品の品質低下による損失を計算
  4. 設備の故障による損失を計算
  5. そのほかの損失を計算

エア漏れ量の測定

エア漏れ量を正確に把握することが、損害額を計算する上で最も重要なステップです。エア漏れ量の測定には、以下の方法があります。

  • 専門業者による漏れ検査
  • 流量計による測定
  • 圧力降下法による測定

消費電力の増加分を計算

エア漏れによってコンプレッサーが余分に稼働し、消費電力が増加します。増加した消費電力量に電気料金単価を掛けることで、電気代の増加分を計算できます。

製品の品質低下による損失を計算

エア漏れが製品の品質に影響を与えている場合、不良品の発生による損失額を計算します。不良品の数に製品単価を掛けることで、損失額を算出できます。

設備の故障による損失を計算

エア漏れが設備の故障を引き起こしている場合、修理費用や生産停止による損失額を計算します。修理費用や生産停止期間中の売上減少分などを考慮して、損失額を算出します。

そのほかの損失を計算

上記以外にも、エア漏れによって様々な損失が発生する可能性があります。例えば、エア漏れによる騒音、作業環境の悪化、安全性の低下などが挙げられます。これらの損失額も可能な限り計算に含めることで、より正確な損害額を把握できます。

ツールを使えば簡単にエア漏れの金額換算ができる

インターネット上で、簡単にエア漏れを金額換算できるツールがあります。協和機工のエア漏れ見える化.comでは、コンプレッサーのスペックや稼働時間などを入力するだけで、簡易的な金額換算ができます。ぜひ一度試してみてください。

エア漏れによる損害額の事例

当社は全国の工場でエア漏れ検査サービスを実施しています。エア漏れによる損失金額は工場の規模などによってまちまちですが、小さい工場でも年間数十万円の損失が発生しているケースも珍しくありません。

神奈川県のある工場では、実に94箇所のエア漏れ箇所があり、年間損失額は約230万円と非常に大きい額でした。

このように、エア漏れによって年間2,000,000円以上の損失が発生している工場も多くあります。

一概にはいえませんが、エア漏れの箇所が多ければ多いほど、エア漏れによる損害額が大きくなる傾向にあります。

定期的にエア漏れ検査を実施することで、エア漏れ箇所を減らすことができ、コスト削減に大きく寄与します。

エア漏れが起きやすい箇所

以下の部位は、とくにエア漏れが起きやすい箇所です。

  • エアーガン
  • ホース
  • 減圧弁
  • 配管

エアーガン

エアーガンは人の手で触る機会が多く、その分エア漏れも発生しやすくなります。とくにホースとエアーガンの接続部がゆるみ、そこからエア漏れが生じるケースが多いです。その他、パッキンなど部品の摩耗によりエア漏れが生じるケースもあります。

配管を木の幹と例えるならエアーガンは枝であり、1箇所あたりの漏れ量は少ないものの数が多いため、エアーガンのエア漏れ対策が不十分だと、工場全体におけるエア漏れ量は多くなってしまいます。

ホース

ホースは地面を這うことが多く、地面との摩擦により穴が開きやすいです。経年劣化やコンプレッサの熱で弱くなったホース本体に摩擦による圧が加わることで、ホースが損傷し、エア漏れが発生します。

また、配管途中の接続部からのエア漏れもみられます。これは、パッキンやガスケット、カプラ本体の劣化や接続不良が原因のケースが多いです。

減圧弁

減圧弁からのエア漏れでは、配管と減圧弁のつなぎ口がゆるんでいることによるエア漏れが多くあります。

接合部に使用するシールテープやパッキンが劣化するとエア漏れの原因となるため、細かい部分のチェックも忘れないようにしましょう。

配管

配管におけるエア漏れでは、接合部からのエア漏れがもっとも多いです。パッキンやガスケットの劣化や、接合部のゆるみが原因となります。

配管本体からのエア漏れでは、金属の腐食やサビによる本体の劣化、化学工場では薬品による配管の傷みが原因となってエア漏れが発生するケースもあります。

まとめ

エア漏れを放置すると、多額の損害が発生することはいうまでもありません。最近では中小企業においても脱炭素のトレンドがあるため、エア漏れの放置は、企業の信頼性や競争力にも悪影響を及ぼします。

エア漏れ対策を徹底することで、コスト削減だけでなく、製品の品質向上、設備の長寿命化、作業環境の改善など、さまざまなメリットがあります。

協和機工株式会社では、コンプレッサーのエア漏れ箇所を超音波カメラで可視化し、エア漏れ箇所や損失金額とあわせてレポートにしてお渡しする「エア漏れ検査サービス」を実施しています。工場の省エネに役立つと、多くのお客様に好評をいただいています。詳しくは「エア漏れ見える化.com」をご覧ください。

 

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